2月22日の「あしたも晴れ!人生レシピ」は、『心穏やかに生きるコツ!~マインドフルネスめい想~』と題して、アメリカ生まれの瞑想・マインドフルネスについて。
解説してくれたのは、精神科医の名越康文先生。
マインドフルネスのやりかたは、すでにいろんな番組などで紹介されているが、心がさまよった状態のマインドワンダリングと対比して説明されたのが、個人的にはわかりやすかった。
人間は過去や未来に注意が飛びやすい
私たちは、落ち込んだり不安になったりすると、知らず知らずのうちに、いまするべきことがあってもそこから注意が離れて過去や未来に注意が飛んで行ってしまう特性がある。
例えば、会社で上司に大きな叱責を受けたときに、家に帰っても叱責を受けたことを思い出し、「あのとき、こうしておけばよかった」と過去のことをくよくよしたり、「また明日もられるかもしれない」とあらぬ心配をしてしまうと、脳はストレスを感じ大きな負担となる。
このように、目の前の現実ではなく、過去や未来のことに注意が飛んでしまう状態を、マインドワンダリング(心のさまよい)という。
過去や未来に注意がロックされると、マイナスへ加速
普通は、過去や未来に注意が飛んでも、今やっていることに注意が戻ってきて、今やっていることに注意が注がれて集中できるようになる。
しかし、過去や未来に飛んだ注意が、そこに完全にロックされてしまって、グルグルと過去のことを後悔したり未来のことを心配し続けたりすると、そういった考えに気分がひっぱられるようになって、どんどん気分が落ち込んだり、不安になっていったりすることがある。
最悪の場合、うつ病になったり、不安症といった病気になったりすることもある。
スポンサーリンク今に注意を向けることのメリットは?
「マインドフルネス」とは、今に気づくこと。
呼吸などに意識して、今の瞬間に注意を向けることで、未来や過去にとらわれていたマインドワンダリングの心の状態から抜け出しやすくなる。
マインドフルネスを実践することで、扁桃体の活動が収まってくるようになる。そうすると、前頭前野の働きが機能を改善してくるので、物事を冷静に考えて現実をとらえることができるようになり、問題にもうまく対処できるようになる。
その結果、ストレスもだんだん少なくなっていくという。
過去とか未来とかに自分の意識が飛んでいかないで、今ここに戻ってくると、今ここで悲しい体験があっても、今ここでやるべきことがある。
自分がするべき仕事があるとか、今は食事だからちゃんと味わって食べようとすると、妄想が入る余地がなくなる。
妄想の入る余地がなくなると、心が休まってくる。
今日一日、この瞬間を集中して生きるということにより大きなエネルギーをかけると、だんだんマインドワンダリングの妄想から脱却していくことができる。
マインドフルネス瞑想のポイント
姿勢を整える
頭の頂点のつむじのところが、グーッと真上に引っ張られる。あるいは、天に向かってスーッと伸びていくようなイメージをする。
頭が上に引っ張られるように意識すると、肩の力が抜ける。
呼吸を意識する
長く吐くと、より落ち着く。
イライラしているなというときに、鼻でスーッと一気に吸ってフーッとゆっくり一息だけ吐くと、パッと落ち着いたりする。
朝、息をゆっくり吐く深呼吸を3回やることから始めるだけでもよい。
【関連まとめ】
・マインドフルネスまとめ 姿勢を正し呼吸に意識をむける