11月27日の「この差って何ですか?」で、昔と今の健康常識の差が特集。
運動に関して、昔は健康によいとされていたが、現在ではそれは間違っていることがわかっていることが3つ紹介された。
解説してくれたのは、栗原隆ウェルネスクリニックの栗原隆院長。
運動前にストレッチするとケガをしにくくなる?
昔は「運動前にストレッチをするとケガをしにくくなる」と言われていたが、これは間違い。
入念に伸ばすのがよくない
今の常識では、運動前にストレッチをするとケガをしやすくなる。
運動前のストレッチによって筋肉や腱を引っ張ることで、筋肉や腱がゆるみすぎると、クッション性がなくなりケガをしやすくなる。
本来、筋肉や腱というのは、通常の状態から伸びたり縮んだりすることで、その伸縮性が運動したときの衝撃を吸収するクッションの役割をしてくれる。
しかし、ストレッチをしすぎてしまうと、筋肉や腱が伸びきった状態で固まってしまい、運動したときに衝撃を吸収できなくなってしまうので、ケガをしやすくなるという。
運動する前は
運動する前は、筋肉を伸ばすストレッチではなく、ラジオ体操などの筋肉を温めるような準備運動をする。
準備運動をして血流をよくすることで、筋肉が温まって固まった筋肉が柔らかくなるので、動きやすくなりケガの予防につながる。
ストレッチは運動後に行う
ストレッチは、運動後に行う。
運動後にストレッチをすると、筋肉のなかに溜まった疲労物質が流れやすくなる。
スポンサーリンク脂肪を燃やすには20分以上の運動が必要?
昔は「脂肪を燃やすには20分以上の運動が必要」といわれていたが、これも間違い。
脂肪燃焼と時間は関係ない。
運動開始直後から、脂肪は燃焼する。
5分10分というこま切れでも良いので、運動することが大切。
年をとると筋肉痛が2日以上遅れてやってくる?
これも間違い。
筋肉痛の遅れと年齢は関係ない。
昔は、年を取って細胞分裂の回数が減ることで筋肉の回復に時間がかかるので筋肉痛が遅れると、考えられていた。
しかし、筋肉痛は年齢には関係なく、一番関係しているのは、運動の強さ。
ジョギングなど、筋肉への負担が軽い運動の場合は、筋肉痛が早く起こりやすく、一方、腕立て伏せなどの筋肉への負担が大きい運動の場合は、筋肉痛が遅れてやってくると考えられている。
なぜ負担が大きいと筋肉痛が遅れる?
たんじかんの強い運動で起こる筋肉痛の主な原因は、筋肉が修復するときの炎症。
これはすぐに痛みがこない。
筋肉に強い負担をかけると、筋肉のなかの筋線維が傷つき、炎症が起こる。
しかし、筋線維には痛みを感じる神経がないため、この時点には痛みを感じない。
その後、その炎症が広がって筋線維を包む筋膜に届いたときに、初めて筋肉痛を感じる。
つまり、筋肉への負担が大きい運動は、運動をしてから痛みを感じるまで時間差があるため、筋肉痛が遅れてやってくる。