下半身の筋力を鍛えるだけでは、転倒リスクは避けられない。
転倒予防には下半身の筋力がもちろん大事だが、転びそうになったときにグッと踏ん張るとか、タイミングよく1歩足を出すとかは、筋力だけの問題ではないことがわかってきた。
10月2日の「たけしの家庭の医学」で、この転びそうになったときに反応する足のセンサーについて伊奈病院の石橋英明先生が解説してくれた。
転倒しないために大切な足のセンサーとは?
つまづいたときの、次の転ばぬ1歩を出せるか出せないかを左右するのが、筋肉の反応の速さ。
筋肉を瞬間的に動かすことについては、足のセンサーと神経の伝わる速度が大きく関わっている。
スネとふくらはぎの筋肉のなかに、その足のセンサーが備わっている。
足のセンサーとは、神経と連絡をとる筋紡錘のこと。
筋紡錘がしっかり働いていれば、つまずいても即座に異常を感知し、脳ではなく脊髄からの指令で筋肉を動かすため、しっかり踏ん張ることができる。
逆に、うまく働いていないと、筋肉を動かすタイミングが遅れ、踏ん張りが効かず転倒に至ってしまうという。
加齢や運動不足によって、この足のセンサーは衰える。
足のセンサーを活性化するボックスステップ
足のセンサーを活性化する方法として、社交ダンスにあるようなボックスステップが紹介。
ボックスステップは、様々な歌謡曲の振付にも使われる、足を交差させるステップ。
足を交差させると体のバランスが崩れるため、足のセンサーが働く。
その動きを繰り返すことで、センサー機能が高められるという。
ボックスステップのやりかた
(1)足を肩幅に開く
(2)1歩目は、右足を交差させるように左足の前に出す
(2)2歩目は、左足を交差させるように右脚の横に出す
(3)3歩目で、右足を元の位置に戻す
(4)4歩目で、左足を元の位置に戻す
この4歩がワンセット。
この動きを、好きな曲などにあわせて、1日5分間行う。
同じ方向だけでなく、逆回りも行う。