9月8日の「ランスマ」は、ランナーからだケア」第3弾。
テーマは股関節。
股関節は、着地の際、上半身を支えて脚を前に運ぶ力の支点になる大事な関節。
しかし、いったん傷めると歩くだけでも傷んだり、ずっと走れなかったりする。
誰でも簡単にできる股関節ケアの方法を、亀田総合病院の山田慎先生が教えてくれた。
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なぜ股関節痛が起こる?
股関節は、骨盤と太ももの骨・大腿骨が接続する部分で、体の中でもっとも大きな関節。
骨自体が痛くなることもあるが、多いのは、股関節周りの筋肉の大腿四頭筋と内転筋が、骨にくっつく付け根の部分に炎症が起こる。
走って負担がかかりすぎた筋肉は硬くなり柔軟性が落ちる。柔軟性が落ちると骨にくっつく接続部分に負担がかかって、痛みが出る。
痛みまで起きなくても、変な違和感が起きることもある。
1996年のアトランタ五輪で銅、2000年のシドニーで銀という2大会連続でマラソンのメダルを獲得したワイナイナ選手も、その2回のオリンピックの間、股関節痛に悩まされ、1年間走れなかったという。
股関節周りの痛みはどう防ぐ?
シンプルなのは、股関節周りの筋肉の質を上げること。
柔軟性があればあるほど、根元にかかる負担も減る。
手軽にできるのはストレッチ。
開脚
股関節周りの痛みを予防するストレッチが紹介。
基本は開脚。
太ももの内側の筋肉・内転筋を伸ばす。
そのやりかたは
(1)床に座り、脚をひろげる
(2)そのまま、上体をゆっくり倒して、無理をせずにいけるところまでいき、10~20秒キープする。
人によって可動域は違うので、脚は広げられる範囲でOK。
背筋を伸ばすと、それだけでも、太ももの内側がしっかり伸びる。
スポンサーリンクえびぞり
太ももの前の筋肉・大腿四頭筋を伸ばす。
そのやりかたは
(1)床に横になり、上側の足先を後ろでにつかんで、後ろにひき、10~20秒キープする
エビぞりのように、お腹を出して体を反ると、強く伸ばせる。
ひじをつかった股広げ
(1)あぐらをかくような形で座り、足の裏を合わせる
(2)両ひじで股を広げていくようにして、背筋を伸ばしながら上体を倒していく
ストレッチは時間に応じて筋肉が伸びる
ストレッチは、伸ばした時間に応じて、筋肉は伸びる。
練習前後だけでなく、できる限り毎日時間を作ってやる。
ワイナイナおすすめストレッチ
続いて、相撲のシコからヒントを得たという、ワイナイナさんがおすすめのストレッチが紹介。
そのやりかたは
(1)両足を広げて立ち、手はひざの上に乗せる
このとき、ひざとつま先の向きを揃える。
(2)地面を踏んだときに、腰を落とす
左右あわせて20回行う。
青学の原晋監督が見せてくれる、走る前の動的ストレッチにも、確かこんなのがあったはずと思って探してみたら、ちょっと違うかんじ。
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骨盤が後傾のランニングフォームが一因
股関節周りの痛みには、ランニングフォームも大きく関係する。
骨盤が後傾になると、脚が余計に前に出てしまう。
その分筋肉が伸びて、つけ根にかかる負担が大きくなる。
痛みが出たらどうする?
炎症を起こした筋肉は、何もしないとどんどん硬くなってしまう。
負荷をゼロにはせず、適切な刺激を与える。
ストレッチと筋トレ、もしくは、負荷を抑えれば走ってよい。
股関節周りの筋トレ(1)
(1)片足立ちで、両腕を前、上げた脚を後ろにゆっくり伸ばす
背筋を伸ばすイメージで行う。
ハムストリングス、大腿四頭筋、お尻の臀筋を総合的に鍛えることができる。
片方ずつ10回、ゆっくりと行う。
股関節周りの筋トレ(2)
(1)仰向けになって、太ももを抱える。
(2)このままひざを伸ばす。
太ももを抱えたまま、このひざの曲げ伸ばしをする。
片脚10回ずつ曲げ伸ばしする。
田村亮さんが冗談半分でコメントしていたが、「朝ドラを見た後」とか組みこむ方法は、メンタリストDaiGoさんの著書「ポジティブチェンジ」のなかにもあったなぁ。
股関節痛のない今のうちに、筋肉を柔らかく鍛えはじめよう。