年齢を重ねるにつれて、ちょっとしたことでケガしたり体を傷めたりしてしまう。
大きなケガにならない、予防する力やその鍛え方などを、首都大学東京教授の竹井仁先生が解説してくれた。
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予防に必要な3つの力
ちょっとしたきっかけで体を傷めないために、予防に必要な力は
(1)筋力
(2)バランス力
(3)瞬発力
中でもつまずいたときなどに、咄嗟に足が出たり手が出たりするための瞬発力が大事という。
筋力・バランス力・瞬発力を同時に鍛えるトレーニング
輪ゴム3個を1組にして交差させて結ぶ。長さを1mほどになるまで繰り返してつなぐ。
(1)ゴムひもの端を、テーブルの足など動かないものに結びつけ、もう片方は足首に通す。
(2)イスにつかまって、ゴムをつけていないほうのひざを少し曲げ、ゴムをつけた足を前に蹴り上げる
蹴り上げる足は、なるべくはやく動かす。
(3)向きを変えて、後ろに蹴る動作を繰り返す
(4)さらに、向きを変えて、外側や内側に動かす。
支えている脚は安定させる筋力が、動かすほうは瞬発力が、体はバランス力が鍛えられる。
体がぐらつかないようにするには、おなかに力を入れて、背筋をまっすぐにする。
前、後ろ、外側、内側と全部で4方向に20回ずつ行ったら、ゴムを反対の足首につけて同じように行う。
バランスボールを使ったトレーニング
バランスボールでも、筋力・バランス力・瞬発力を同時に鍛えられるという。そのやり方は
(1)ボールのクッションを利用して上に跳ね上がる
背中が猫背になったり、反りすぎないように注意する。
(2)5~6回跳ねあがったら、ボールは両手で押さえ、お尻を浮かせた状態で3秒キープ
これを繰り返す。
ボールに腰を落とすときは、弾まないようにおなかに力を入れるのがポイントとのこと。
五十肩のためのトレーニング
2本ずつの輪ゴムをつないだ腱板損傷の予防と回復のためのトレーニングに続いて、五十肩のためのトレーニングが紹介。
そのやりかたは
(1)上半身をテーブルに乗せ、腕をぶらんと下ろす
(2)体を前後に揺すって、そのリズムを使って腕を動かす
このとき、腕に力は入れない。
(3)体を左右に揺すって、腕を左右に動かす
前後左右に動かすことで、腕の可動域を無理なく取り戻すことができるという。
見返り筋膜リリース
最後に、肩や腰のケガ予防になる、斜め方向の筋膜を緩める見返り筋膜リリースが紹介。
そのやりかたは
(1)右足前に出して軽く曲げ、左手をテーブルに置く
前のひざは軽く曲げ、後ろのひざは伸ばし、かかとは浮かないようにする。
(2)右手を上(体の軸の方向)にまっすぐ伸ばして20秒キープ
(3)上半身をひねって、20秒キープ
(4)ひじをテーブルについて、さらにひねって20秒キープ。
トレーニングは医師と相談してから
ただし、こうしたトレーニングを始めるタイミングは、かかりつけの医師と相談してからにする。
輪ゴムでゴムバンドをつくるのもいいけど、一度探しに行って見つからなかったトレーニング用のゴムバンドをもう一度探してみようかな?