9月19日のNHKスペシャルは、私たちのこれから「健康格差 あなたに忍び寄る危険」
低所得の人の死亡率は、高所得の人の3倍。
所得だけでなく、住んでいる地域や、雇用形態、家族構成のちがいで、病気になったり寿命が短くなってしまったりという健康格差の問題がわかってきた。
この健康格差を解消すれば、10年で5兆円の医療費を縮小できるという試算もある。
健康格差の実態
非正規雇用の人は、糖尿病の合併症が悪化するリスクが、正規雇用の人の1.5倍というデータがある。
なぜ非正規だと悪化することが多いのか?
経済力の違いによる健康格差は、精神疾患が3.4倍、肥満が1.5倍
低所得だと炭水化物の量が増え、たんぱく質の量が減る。
生活によとりがないと、カップ麺などが増え、魚、肉、野菜の摂取量が減るという。
健康格差がこどもの未来も脅かしているという。
WHOが、健康格差が世界的に広がっていると警鐘をならしている。
所得、地域、雇用形態、家族構成が、大きく影響を与えているという。
知らないうちにパンの塩分を段階的にカットしたイギリス
イギリスでは心疾患と脳卒中の死亡者数が、8年間で4割も減っている。
イギリスが目を付けたのは塩。ある取組の結果一人当たりの塩分摂取量を15%減らすことができた。
それは最大の塩分摂取源であるパン。
6週間通常のパンを食べるグループと毎週5パーセントずつ減塩したパンを食べるグループで味の変化をどう感じるかという実験で、両方とも味は変わらないと答えたことから、官民一体でパンの塩分を段階的にカットし、結果を出した。
健康への意識低くても環境を作った足立区
糖尿病に関する治療件数が23区で最も多い足立区。
足立区が考えたのは、健康への意識が低くてもいつの間にか健康になれる作戦。
知らない間に野菜を先に食べる作戦。
協力すると区のホームページに掲載することで飲食店に、野菜を先に提供するようにしてもらったという。
野菜を先に食べると血糖値の上昇を30パーセント抑えることができる。
区立のすべての幼稚園で野菜を食べる日を設け、こどもたち自身が調理を担当することで、こどものうちに野菜を食べる習慣を身につけさせるという。
1人あたりの野菜摂取量が、年間でキャベツ5個分も増えた。
すぐできる健康格差撃退法
・野菜不足は、冷凍野菜で補う
冷凍野菜は価格も安定しているし、長持ちもする。
・乾燥きくらげでビタミン・食物繊維補給
スープに入れるだけで摂れる。
・減塩には、たれ、粉末は半分に慣れてみる
うまくいかない秋田の話と、うまくいったイギリスの話が参考になる。
いきなり半分になれるのは無理だが、2割減を段階的に進めていくなら十分可能だ。
・万病のもとをたつために歯みがき
ていねいに歯を磨くことで、いろんな病気を未然に防ぐことができる。
所得による健康寿命の違い
所得が低いほど外にでないというデータがあるが、イチロー・カワチ先生は、つながっていること、社会参加と交流が健康を保つ要因として注目している。
人とのつながりが生む力・ソーシャルキャピタルが高いと健康になる。
たしかに「このままだと病気になってしまいますよ」ではなく、「ボランティアで会計係をお願いします」など、参加しやすくする環境の整備も大切だが、所得うんぬんに限らず特に男性は家に閉じこもりがち。
自分が誰かに役立つようにではなく、誰かに助けを求めてでもいいから、まず自分から声をあげて人に接触していかないと哀れだ。