5月14日と21日のNHK助けて!きわめびとは、「運動会直前 誰でも足が速くなる」
足が速くなりたい小学生が二日間のスペシャルプログラム合宿参加。
運動会のかけっこではビリしかとったことがなかったり、鬼ごっこで捕まりやすく鬼になったらそのまま最後まで捕まえられず休み時間がおわってしまったりする子から、もっと速くなりたい子まで9人が参加。
合宿1日目は、まず50メートルのタイム測定後、きわめびと深代 千之教授の待つ東大駒場キャンパスへ。
筋肉より脳が大事
「みなさんを風のようにはやくさせるからね」とむかえた深代先生は、アスリートが感覚で行ってきた動作を物理で解析し、トップアスリートにアドバイスをしてきたスポーツバイオメカニズムの第一人者。
北京オリンピック銅メダリストの朝原宣治さんもそのトップアスリートの一人。
モットーは運脳神経を育てよう。
運動は筋肉がやると思っている人が多いが、からだの使い方のうまい下手は脳がうまく活動するかどうか。
実際に走らなくても頭で考えてイメージするだけでも速くなる。
脚が遅い人は走り方を知らない。筋肉をいっぱいつけても走り方を知らないと速く走れないとのこと。
30分間脳を鍛えると約半数のタイムがアップ
まずは理解する。30分脳を鍛えただけで速くなった例が紹介。
かかととおしりをつける。
足の模型をつかって、模型のおしりとかかとをくっつけて前後に動かし力をいれて曲げるのではなく、股関節を速くももあげするから勝手に曲がるというのを速い人はやっている。
ポイントは、股関節を意識してぎゅんと太ももを引き上げること。そうすればひざが自然と曲がる。
グランドに戻ってタイムを再計測すると、9人中5人のタイムがアップ。
スポンサーリンク小脳に格納されるとずっとできる
かかととおしりをつけ、腕をふる、軸はぶれないでからだをひねる、前傾するという動作を、まずは脳の前頭葉で考えながら走ったが、一度小脳に格納した運動はわすれない。何回か練習して小脳に残ると考えないで走れるようになる。
筋トレはやらないと落ちるが、小脳に格納されたものは劣化せずにずっとできる。自転車乗りと同じ。
走ることに特化したものを小脳に格納すれば速く走れる。
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大事なのは無意識でもいい走り方ができること
頭でわかってすぐに出来ることもあるが、考えなくてもできるようになると絶対前の自分よりも速く走れる。
そこで提案されたのが「走力アップドリル」
いろんなドリルをしていたら速く走る走り方に自然になってしまうというドリル。これを小脳にインプットする。
いきをはきながらやってみようという「ワニ」は、仰向けになって肩と腰を左右にねじって頭のほうへすすむ。体の軸をひねる動作を小脳に覚え込ませるドリル。
両腕を体の前で動かす「まどふき」は、肩のうしろの骨・肩甲骨を動かし、大きな腕振りにつなげる。
こしの位置より手足をあげようという「あしバンザイ」は、片足で立ち1,2の3で両手をバンザイ、もう片足はうしろに振り上げる。これは股関節を大きく動かすことを小脳に入れるためのドリル。
大人と楽しめる「人間ドリブル」は、一人はその場で連続ジャンプ。一人はバスケのドリブルのように肩を押す。地面をつま先で蹴るのが小脳にインプットできる。
こういったドリルによって体の動かしからがいつの間にか身についているのが理想。毎日ちょっとずつやればかならず速くなる。
トレーニングではないので、疲れるほどはやらない。時間ではなく、イメージしているドリルが走ることにうまく結びつくというを考えながらやると、そのドリルが走りに生かされてくる。
合宿2日目
カヌーで体のひねりを、竹馬で前傾姿勢を小脳にインプット。
ちょっと難しいことをやってそれを乗り越えたときに、やる気スイッチが入る。
「自分が変われるということを実感できると、人に言われなくても自分でやってしまう」と深代先生。
「生まれつき器用な子はいない。どこかで練習しているからそのパターンが小脳に残っていて、あたらしいことをやろうとしてもそれをひっぱってくるとすぐにできる」
1週間自宅で練習
すもうの立ち合いで、スタートダッシュの感覚を小脳にインプット。
親が面白がっていると、面白いんだなって伝わる。子どものやる気を伸ばすために自分も楽しもうと親の気持ちにも変化が。
運動会のかけっこはビデオでタイムを
1週間後のタイム計測では、9人中5人のタイムがアップ。
難しいドリルもあって、低学年ではまだこなされていないかなということですが、その後の学校のタイム測定で速くなったという報告も。
ビデオで撮ってコマ送りとかをするとタイムを割り出せるので、前年と比べてどれくらい速くなったかを客観的に示してあげて、褒めてあげると良いそう。
運動のうまい下手は遺伝ではない。
切実に速く走りたいという子どもとその親向けの番組だが、誰でもできることが満載。
そして、走ることだけでなく、こどもに何かしてほしいときにはただ言うだけでなく、親が実際にやってみることの重要性を教えてくれる。こどもは真似したくなる性質があるから。